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小川 理那; 仲田 久和; 菅谷 敏克; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2022-010, 54 Pages, 2022/07
日本原子力研究開発機構では、研究施設等廃棄物の処分方法の一つとして、トレンチ埋設処分を検討している。トレンチ埋設処分は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」が適用され、特に、埋設施設の設計については、「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」が適用される。この規則は、令和元年に改正され、トレンチ埋設施設には、施設中への雨水及び地下水の浸入を十分に抑制させる設計を取り入れることが新たな要求事項として追加された。そこで、本報告では、現在計画しているトレンチ埋設施設に追加された規則の要求事項を適応させた設計の検討を行うこととした。検討中のトレンチ埋設施設は、地下水位より浅い位置に設置することを想定している。そのため、施設中に浸入する水は、主に雨水由来のものであると考えられることから、トレンチ埋設施設の表面にある覆土の設計について検討を行うこととした。本報告では、日本原子力研究開発機構が検討しているトレンチ埋設施設のうち、安定型トレンチ埋設施設の覆土設計について検討した。検討方法としては、覆土に用いる材料や施工方法により設計条件の変更が可能である透水係数及び厚さについてパラメータスタディを実施し、各条件における廃棄体層へ浸入する水の流速を評価した。各条件における流速の結果を比較し、より効率的に雨水の浸入を抑制する覆土の設計条件を評価することとした。解析の結果、粘土層及び排水層の厚さや透水係数の値の組み合わせ毎に覆土の遮水性能を把握することができた。将来、実施するトレンチ施設の基本設計においては、安全評価上有効な遮水性能に加え、その他の課題や施工費の検討も実施した上で合理的な覆土の仕様を決定する予定である。
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*; 加藤 伸之*; 松井 康人*; 米田 稔*
Journal of Radiological Protection, 41(3), p.S139 - S149, 2021/09
被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Environmental Sciences)屋内退避は原子力事故時の放射線被ばくに対する防護対策の一つである。屋内退避の効果は低減係数によって表される。本研究では、低減係数を屋内外の積算放射能濃度比または線量比で定義した。屋内濃度は主に空気交換率,浸透率及び室内沈着率によって支配される。浸透率と室内沈着率は表面材質と隙間材質に依存する。Iと粒子のこれらのパラメータについて実験的に調査した。実験は2軒のアパート及び3軒の戸建て住宅に加えて、実験室のチャンバーで実施した。浸透率は、0.31mの粒子で0.31、Iで0.150.7であり、いずれも空気交換率に依存していた。室内沈着率は、0.31mの粒子で0.0070.2h、Iで0.21.5hであり、いずれも床面材質に依存していた。
手塚 将志; 香田 有哉; 藤田 義彦*; 久米 恭*
平成26年度公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究年報,17, P. 78, 2015/10
解体撤去物等の汚染レベルに応じた分別管理に資するため、「ふげん」のタービン建屋内に敷設されていた復水器の基礎架台コンクリートを供試体として、予め表面のひび割れ状況等の事前観察を行った上で、供試体内部の汚染状況を調査した。事前観察において、供試体のひび割れは鉄筋腐食により生じたものと推察された。次いで、イメージングプレート(IP)を用いた非破壊の汚染調査を行うとともに、供試体から試料を採取して線放出核種及び線放出核種の分析を行った結果、供試体の表面から内部に至るまで汚染は認められなかった。また、海水由来と推測される大気中の塩素元素が供試体に浸透しているか否か屋外から採取した試料との比較分析を行い、接液環境以外からの物質の浸透挙動に関して検討を加えた。さらに、ひび割れ範囲の確認方法として、コンクリート探傷剤を用いたひび割れ範囲の可視化を検討したところ、目視で容易に確認できたことから、有効な手法であることが判明した。以上の検討結果に基づき、鉄筋腐食によるひび割れが明らかな基礎架台コンクリートについては、保守性を確保する観点から、表面より最大ひび割れ深さ付近までの範囲は確実に分離・除去すること、次いで分離・除去された表面にひび割れ部が残存していれば、既往報告に示された「浸透汚染が必ずしも否定できない範囲」を特定・分離するロジックを適用すべきであることを示した。
上野 哲朗; 竹内 竜史
JAEA-Data/Code 2015-007, 55 Pages, 2015/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、超深地層研究所計画の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得および研究坑道掘削に伴う浅層の地下水環境の変化の把握を目的として、表層水理観測を実施している。この表層水理観測では、蒸発散量算出のための気象要素, 降水量, 河川流量, 地下水位および土壌水分の観測を、正馬川流域, 正馬川モデル流域および瑞浪超深地層研究所用地で実施している。本データ集は、2013年度の上記流域等で得られた気象要素, 降水量, 河川流量, 地下水位, 土壌水分について、欠測や異常値を示すデータの補正・補完を行ってデータセットとして取りまとめた。また、研究坑道掘削工事における周辺環境モニタリング調査の一環で取得されている狭間川の河川流量データを用いて、2013年度の同流域の岩盤浸透量も算出した。
上野 哲朗; 竹内 竜史
JAEA-Data/Code 2015-006, 22 Pages, 2015/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、広域地下水流動研究の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得を目的として、表層水理観測を実施している。観測項目は降水量および河川流量であり、柄石川と日吉川を観測流域としている。本報告では、2013年度の表層水理観測で得られた降水量、河川流量について、データの欠測や異常値に対して補正・補完を行いデータセットとして取りまとめた。
井川 直樹; 田口 富嗣; 野澤 貴史*; Snead, L. L.*; 檜木 達也*; McLaughlin, J. C.*; 加藤 雄大*; 實川 資朗; 香山 晃*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 66(2-4), p.551 - 554, 2005/02
被引用回数:48 パーセンタイル:82.48(Chemistry, Multidisciplinary)SiCは高温機械特性や中性子照射下での低放射化特性等に優れているが、低い靱性や脆性破壊挙動が問題である。SiC繊維で強化したSiC複合材料は、SiCの持つこれらの欠点を大きく改善させたものであり、核融合炉の第一壁等を始めとした構造材料として期待されている。近年、従来よりも高温安定性や耐酸化性に優れた高結晶性SiC繊維が開発され、一層の機械特性等の向上が期待されている。本報では、これら新繊維を用い、機械特性の向上を目標として、低放射化特性に最も優れた手法である化学気相浸透法を用いた複合材料作製の最適化を行った。作製時の原料ガスやキャリアガスの流量等を変化させることにより、従来よりも複合材料の緻密化,均質化が達成できた。また、複合材料中のSiC繊維割合を増加させることにより気孔が減少することがわかった。SiC繊維-母相間の界面材として、カーボン層あるいはC/SiC多層を採用し、界面材の厚みに対する引張機械特性評価を行った。50300nmの界面材厚さ範囲では、引張機械特性の厚み依存性が極めて小さく、この結果、界面材の薄膜化が可能であり、耐照射性の向上が期待できること、また、界面材厚みに対する設計誤差の許容範囲が拡大することを見いだした。
鐵 桂一*; 澤田 淳
JNC TN8430 2001-006, 65 Pages, 2001/10
NETBLOCKではこれまで、亀裂交差部の透水性を把握するための試験を行ってきた。しかし、試験で使用した岩体は透水性が高いため、制御可能な試験条件下で亀裂内の流れが乱流となる可能性が指摘されている。亀裂内の流れが乱流である場合、亀裂開口幅、透水量係数を過小評価してしまうため、層流状態を達成する必要がある。本試験では、水よりも粘性の高い流体(高粘性流体)を用い、これまで使用してきたT字に交差した天然亀裂を持つ花崗岩を用いた。また高粘性流体は、メチルセルロース系の水溶液を使用した。高粘性流体を用いることにより、マノメータを広い範囲で使用でき、測定の精度を上げることができた。また、0.1wt%以上の高粘性流体を用いることで、岩体亀裂内の流れが層流になる結果が得られた。
福嶋 正巳*; 辰巳 憲司*; 長尾 誠也
Environmental Science & Technology, 35(18), p.3683 - 3690, 2001/09
被引用回数:138 パーセンタイル:92.77(Engineering, Environmental)陸域環境に存在する高分子電解質の有機物である腐植物質(フミン酸とフルボ酸)は、放射性核種や微量元素の土壌中での移行あるいは土壌から河川への移行動態を支配する要因の1つと考えられている。そのため、腐植物質の特性を把握し、微量元素との錯体特性あるいはその安定性を調べる必要がある。本研究では、光照射によるフミン酸の安定性及び分解されるフミン酸の構造特性を各種の分析法により検討した。なお、光照射の効果を促進させるために、鉄と少量の過酸化水素を添加した。5時間の光照射の間に、(1)フミン酸の有機炭素濃度と紫外域の吸光度は光フェントン反応により最大20%減少、(2)フミン酸の分子量が照射時間の増加にともなって低分子側へシフトした。また、光フェントン反応時において、添加した鉄はフミン酸の高分子部分と選択的に錯形成していることが明らかとなった。以上の結果は、フミン酸の高分子部分が鉄と錯形成することにより、光照射によるフミン酸の分解が高分子部分で選択的に進行したことが考えられる。
山田 直之*; 鎧 桂一*; 澤田 淳
JNC TN8430 2001-003, 64 Pages, 2001/03
NETBLOCK試験装置ではこれまでに、アクリル試験体および模擬岩体を用いた試験を通じて、透水試験を行う上での装置の取扱方法、試験条件等の検討を行ってきた。また、交差亀裂を有する実岩体(花崗岩:釜石鉱山より採取)をNETBLOCKで試験可能なサイズに成型を行ってきた。今回は、亀裂交差部が透水性に与える影響を調べることを目的として、実岩体を用いた透水試験を行った。対象となる亀裂の透水性が高いために、計測システムの改良を行い、数cm程度の水頭差で透水試験を行った。その結果、亀裂の透水量係数が10-410-5(m2/s)のオーダーであることが分かった。また、注水時の亀裂内の水頭分布から、下部亀裂のNW方向に透水性の低い箇所があることが推定できた。亀裂の透水性が高く、試験時の透水量が多くなることから、試験条件が乱流である可能性が考えられる。乱流が生じている場合、透水性を低く評価することになるので、流体の粘性を高くして層流条件で試験を実施し、透水性の正しい評価を行う必要があると考えられる。
本石 章司; 小林 勝利; 佐伯 秀也*
JAERI-Tech 2000-070, 34 Pages, 2000/12
JRR-2の廃止措置にあたり、一次冷却系重水の循環系統であった配管及び機器類に付着及び浸透しているトリチウム量の評価が重要となっている。アイソトープ開発室では、イメージングプレートを使用してAl配管中のトリチウム量と浸透深さを求める実験を行った。Al配管のトリチウム汚染面を除く部分にアクリル塗料を塗布し、1.5%(1.21M)フッ化水素酸溶液で汚染面の酸化被膜を一定時間(3分)溶解しイメージングプレートで測定した。その結果、トリチウムは深度方向に25mまで浸透していることを確認した。また、その90%は7m以内に分布していることを確認した。
亀井 斗禮*
JNC TJ7400 2000-015, 203 Pages, 2000/08
平成11年度に実施された研究内容は以下に集約される。「深地層における硬岩系不連続性岩盤の透水性評価に関する研究は」は「亀裂ネットワークモデル作成と透水性評価に関する研究」と「地盤内における地下水・熱流動現象に関する数値解析的研究」について実施した。前者では、亀裂ネットワークモデルの作成、ならびにパラメータを同定する手法、さらには経路のモデルと透水性評価について実施した。後者の研究では、地下水の流れを評価するために、温度をトレーサとして用いる手法の妥当性を評価した。論理解による局所的な地下水流速の評価手法を提案した後、数値解析である有限要素法を導入し、実地盤である北海道における2つの広域な地下水の流れ(美々川流域、十勝平野)に適用した。地下水温を用いた地下水流れの調査は今後適用例が増加すると考えられる。本研究では主に数値解析手法について述べたが、他手法との併用が非常に重要になるだろう。「岩盤浸透流の三次元特性の調査と解析」では、「不飽和帯中の物質拡散係数推定技術の開発」と「環境モニタリング・システム構築のためのニューラル・ネットワークの適用性の詳細検討」について研究を実施した。前者では、蒸発を与えて不飽和浸透流を形成する方法、即ち土層内部に不飽和浸透流を形成するために土層内下部に一定水頭を与え、土層上面から蒸発を与える方法が拡散係数の同定のような長期実験でも有用であることが示された。後者では、東濃鉱山や正馬様洞をふくむ領域で河川流量解析結果の物理的意味を検討した結果、ニューラル・ネットワークの考え方が、まだ変換関数の設定など問題があるとはいえ、自然現象に適用しうることが明らかとなった。今後の重要な課題として(1)観測されている多くの自然現象をニューラル・ネットワークでつなげた地球環境モニタリングシステムの構築、(2)ニューラル・ネットワークの考えを基礎として、岩盤の地質特性と透水性との関係の研究がある。「水理試験法及び水理試験装置の開発研究」では、工学材料として用いられるベントナイト混合土に注目し、原位置で迅速に測定可能な透水試験法の確立を目的として研究を実施した。具体的には、既存の原位置透水試験法(Air-Entry Premeamater)を改良し、非常に浅い位置での湿潤面の到達時間を測定するために、複素誘電
野邊 潤*; 松本 昌昭*; 長坂 和佳*; 丸山 健太郎*
JNC TJ8400 2000-006, 232 Pages, 2000/05
本研究では、昨年度までに構築した連続体モデルによるニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価手法を用いて、地下水流動を特徴付けるパラメータを変化させた場合の解析を行うと共に、手法の拡張性を考慮した信頼性評価を行った。具体的には下記の項目を行った。・三次元飽和・不飽和浸透流解析から一次元核種移行解析までの一連の解析手法を用いて、第二次取りまとめに即したパラメータ設定による解析、および入力フラックスの変化に伴う影響評価を行った。・一次元核種移行解析コード「MATRICS」における、逆ラプラス変換手法の違いによる適用性把握を行った。・多要素版MATRICS(以下m-MATRICSとする)を用いて核種移行解析を行い、従来のMATRICSによる解析結果と比較し、不均質場における核種移行計算へのm-MATRICSの適用性の検討を行った。・三次元飽和・不飽和浸透流解析から一次元核種移行解析までの一連の解析手順を統合化した環境の整備を行った。
野邊 潤*; 松本 昌昭*; 長坂 和佳*; 丸山 健太郎*
JNC TJ8400 2000-005, 71 Pages, 2000/05
本研究では、昨年度までに構築した連続体モデルによるニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価手法を用いて、地下水流動を特徴付けるパラメータを変化させた場合の解析を行うと共に、手法の拡張性を考慮した信頼性評価を行った。具体的には下記の項目を行った。・三次元飽和・不飽和浸透流解析から一次元核種移行解析までの一連の解析手法を用いて、第二次取りまとめに即したパラメータ設定による解析、および入力フラックスの変化に伴う影響評価を行った。・一次元核種移行解析コード「MATRICS」における、逆ラプラス変換手法の違いによる適用性把握を行った。・多要素版MATRICS(以下、m-MATRICSとする)を用いて核種移行解析を行い、従来のMATRICSによる解析結果と比較し、不均質場における核種移行計算へのm-MATRICSの適用性の検討を行った。・三次元飽和・不飽和浸透流解析から一次元核種移行解析までの一連の解析手順を統合化した環境の整備を行った。
江崎 哲郎*; 神野 健二*; 三谷 泰浩*; 蒋 宇静*; 内田 雅大; 赤堀 邦晃*
JNC TY8400 2000-004, 94 Pages, 2000/03
放射性廃棄物の地層処分は、地下の構成材料である岩盤の隔離性、密閉性などを積極的に利用するものであり、その設計にあたっては安全性、経済的合理性、環境上の配慮など、従来の地下構造物と比べて格段に厳しい設計条件が要求される。そのため、岩盤においてその特性を支配する不連続面の力学・透水特性およびカップリング特性などを適切に把握する必要がある。本研究では、理想的な条件下で実験を行なうための新しいせん断透水同時試験装置の開発を行った。そして、装置の検証を兼ねて行ったせん断透水同時実験の結果、新装置は、上箱の回転による影響を定量的に評価でき、一方向流による透水試験を実施することができた。さらに、不連続面のせん断透水同時特性は、垂直応力が大きくなると上箱の回転による透水係数が著しいことを明らかにした。また不連続面の間隙幅分布を不連続面凹凸の幾何学特性とGIS(地理情報システム)によるシミュレーションによって特定する方法を提案するとともに、せん断透水同時試験のモデルを構築し、せん断透水同時特性のメカニズムを明らかにすることを目的としてシミュレーションを行った。その結果、GISによるシミュレーションの有効性を示すことができた。
not registered
JNC TN1400 99-016, 171 Pages, 1999/08
機構は、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成7年度から先行基礎工学研究協力制度を発足させた。同制度は、平成10年度で4年目を迎え、研究協力テーマが増加し、順調に推移している。同制度は、機構の施設及び設備を主に利用し、機構が取り組むプロジェクト研究に先行した基礎・基盤的研究を大学等との研究協力により推進することを目的とする。同制度は、機構が設定した研究協力テーマに対して、大学等からの研究協力課題及び研究協力者の応募をもとに、研究協力課題及び研究協力者を選考し、大学等との共同研究の実施、客員研究員あるいは研究生の受け入れ、もしくはこれらの組み合わせにより研究協力を実施している。本報告書は、平成10年度に実施した高速増殖炉関係及び環境技術関係の先行基礎工学分野に関する34件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、34件の研究協力課題のうち、高速増殖炉関係の9件及び環境技術関係の3件の合計12件については、平成10年度で終了した。
石川 清*; 目崎 吉彦*; 鈴木 英雄*; 甲斐 昌宣*; 渡部 俶*; 藤盛 誠二*; 石川 潤一*
JNC TJ7420 99-016, 878 Pages, 1999/06
岐阜県瑞浪市明世町正馬様用地内において、超深地層研究所計画地点の地質環境を把握することを目的として孔長1,012mのMIU-2号孔が掘削された。本報告書は、地表から地下深部までの地質構造、地球物理学的・水理学的特性を把握するためMIU-2号孔で実施された調査の結果をまとめたものである。実施した主な調査項目は次の通りである。1.岩芯の採取・記載、2.岩芯室内試験、3.物理検層(一般検層項目、フローメータ検層、レーダー法シングルホール測定)4.ボアホールテレビ計測、5.水理試験(非定常透水試験(透水試験)、定常透水試験(揚水試験))これらの調査の結果、以下のことが明らかとなった。・MIU-2号の地質は、孔口から深度88.60mまでが砂岩、凝灰岩、シルト岩などからなる瑞浪層群、深度88.60m孔底までが土岐花崗岩類に属する中粒粗粒の黒雲母花崗岩からなる。土岐花崗岩は深度845.7m付近で岩質的に中粗粒の黒雲母花崗岩と優白質の黒雲花崗岩に大きく2つに分けられ、両者は化学組成上も相違が認められる。・深度223.8m付近に開口亀裂を伴う逸水箇所があり、掘削水はこの区間で全量逸水した。深度889.95915.25m間には月吉断層に相当すると考えられる断層破砕帯が存在する。この断層は、遮水帯を形成し、この断層を貫いた深度950m付近から被圧された湧水が発生した。フローメータ検層結果によると、地層水の流入は深度889m付近より認められるが、特に深度945m以深で多く、深度945984m間で全体流入量の80%近くを占めている。揚水試験時に測定した湧水箇所からの湧水量は16 1/min、圧力は1 .38kg/cm sup2であり、フローメータ検層で求められた22.21/ minの流入量とほぼ一致する。・深度119以深の20ヶ所で実施された透水試験結果によると、花崗岩における透水係数の最大値は深度220.90227.40m間の6.66E-06m/secであり、この区間は掘削中 の 透水帯と対応している。また、深度950m以深の湧水箇所に対応する深度932.50959.00m、960.30966.80m、976.70983.20m間の透水係数も、7.86E-073.66E-06m/secと大きな値を示した。その他の区間は、逸水箇所、湧水箇所の近傍を除けば6.60
中島 研吾*
JNC TJ1400 99-016, 24 Pages, 1999/02
連続体モデルを用いたニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価は以下のような手順によって実施されている:・三次元飽和・不飽和浸透流解析コード「TAGSAC」により三次元不均質多孔質岩盤中の地下水流れを解く・核種移行経路抽出コード「TR3D」により流れ場の中から流線に沿った核種移行経路とその経路上の情報を抽出する・一次元核種移行解析コード「CRYSTAL」により抽出した各経路での核種移行を解析する 本研究では,一連の核種移行評価体系を整備・統合化し,各解析コード間でのデータ受け渡しを自動化するとともに,不均質場や移行経路等の可視化のためのプリ・ポスト環境の整備を実施した。また,第2次取りまとめに向けた多孔質岩盤中の核種移行計算を実施した。
大岡 紀一; 石井 敏満
軽金属溶接, 37(1), p.17 - 24, 1999/00
本稿は、浸透探傷試験に関する各種試験法の特徴や開発動向及び国内外の規格について紹介するものである。この探傷試験技術は、試料表面の微細な開口きずを視覚化するものであり、試験手法は、目視観察、浸透液の除去及び浸透液の現像の方法によって分類される。最近の技術開発では、検出精度及び作業効率の向上を目指した探傷剤の開発、及び微細きずを識別するための画像処理技術の適用が検討されている。今後は、画像処理技術の導入、探傷剤の更なる改良など、適用範囲の拡大、作業の更なる高効率化及びきず検出の高精度化を目指した浸透探傷試験技術の開発が進められることに期待したい。
竹内 正行; 永井 崇之; 石橋 祐三; 武田 誠一郎; 根本 健志*; 藤咲 和彦*; 大橋 和夫*
PNC TN8410 98-116, 147 Pages, 1998/08
(1)目的熱間圧延法、HIP法,爆接法により製作した管継手を酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備へ装着し、長期信頼性の評価を行う。(2)方法酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備のプロセス系(硝酸凝縮液、濃縮液、供給液ライン)とユーティリティ系(計装用圧空、加熱用蒸気、冷却水ライン)に、管継手試験体を装着し耐久性試験を行い、中間検査として、耐圧試験、染色浸透探傷試験、外観観察、破壊検査を行った。(3)結果【1】熱間圧延管継手については、プロセス系の濃縮液および供給液ライン、ユーティリティ系の計装用空気、加熱用蒸気、冷却水ラインに装着した試験体は、約21,000時間の耐久性試験を行っても健全な状態を維持していた。しかし、プロセス系の硝酸凝縮ラインに装着した試験体は、耐圧試験において漏れが認められた。【2】HIP管継手については、プロセス系の濃縮液および供給液ライン、ユーティリティ系の計装用空気、加熱用蒸気、冷却水ラインに装着した試験体は、約18,000時間の耐久性試験を行っても健全な状態を維持していた。しかし、プロセス系の硝酸凝縮液ラインに装着した試験体は、耐圧試験中に破断が認められた。【3】爆接管継手については、すべての装着位置において漏れおよび破断等は認められなかった。しかし、プロセス系の硝酸凝縮液ラインに装着した試験体は、ステンレス鋼側に肌荒れが認められた。以上、中間検査の結果から、再処理プロセスへ適用する場合、ユーティリティ系(計装用空気、加熱用蒸気、冷却水ライン)は、十分適用が可能と考えられる。プロセス系では、硝酸凝縮液のようにステンレス鋼にとって厳しい試験環境では、適用が困難と考えられる。しかし、濃縮液および供給液の温度の低い環境であれば、適用可能と考えられる。
古屋 和夫*; 児玉 敏雄*
PNC TJ7705 98-001, 367 Pages, 1998/03
本資料は、兵庫県南部地震(1995年1月17日)の発生により、淡路島北西部で観測された野島断層周辺における地下水挙動について、その後の地下水の状況を現地調査や同位体分析により分析を実施するとともに、調査により得られた地下水挙動に関する二次元浸透流解析を行った結果、および、過去の地震における地下水挙動の変化に関する文献調査結果をまとめたものである。兵庫県南部地震の発生直後、淡路島北西部では、断層近傍で大量の湧水の発生、および、山地尾根部や内陸で井戸の大きな水位低下が観測され、その後も湧水量の低下傾向が認められていた。しかし、本現地調査により、地震後約3年経過した時点でようやく尾根沿いの水位が回復する傾向が確認された。また、西海岸部の湧水箇所では湧水量も増加していること、一方、内陸部の一部では水位の回復や湧水量の回復・増加などの変化がないことが確認された。このような地下水挙動について、安定同位体やトリチウムによる同位体分析の結果、野島断層の東側近傍の湧水は、標高の高い地域で涵養された地下水が断層に沿って上昇したものであることがわかった。一方、東海岸の東浦断層近傍では、標高の高い地域で涵養された地下水は東浦断層の山側に分布する楠本断層で遮られ、東浦断層近傍で湧出する地下水は楠本断層付近で涵養した地下水の可能性があることなどがわかった。現地調査結果により確認された地下水位の回復や湧水量の増加等の地下水挙動について、その原因を地震に伴う地盤の透水性の回復によるものと考え、二次元浸透流解析により検討した。その結果、地震に伴い浅部に分布する花崗岩風化部の透水係数が2オーダー増大すると井戸の水位が島中央部で最大約70m低下し、その後、透水係数が1オーダー低下(透水性が回復)すると、山地尾根部を中心に地下水位はやや回復し海岸部付近等では湧水量が増加することなどがわかった。これらの解析結果は、現地調査結果と整合的であることがわかった。地震に伴う地下水挙動に関する文献調査により、地震発生以前から地下水位は低下あるいは上昇を示し、地震時はコサイスミックな変動を伴い地震前後で25cmの変動差が生じているが、中期的には発生前の水位に戻る場合が多いことなどがわかった。